ピラティスとは?初心者でもわかるように徹底解説!
ピラティスとは、体のコア(腹筋や背中、骨盤周りの筋肉)を強化しながら、体全体のバランスを整えるエクササイズです。
ヨガと似た部分もありますが、ピラティスは特に体幹(コア)の安定・コントロロジー(自分の身体を自分でコントロールすること)に重点を置いています。ドイツ出身のジョセフ・ピラティスによって考案されたメソッドで、リハビリや体のコンディショニングを目的として作られたものです。
この記事では、初心者でも分かるようにピラティスについて解説していきます。
ピラティスの特徴
ピラティスの特徴は、体全体をバランスよく鍛えながら、特に体幹(コア)の強化に重点を置くことです。以下は、ピラティスの主な特徴です。
1. 体幹の強化
ピラティスは、腹筋や背中、骨盤周りの筋肉といった「体幹」を中心に鍛えることにフォーカスしています。体幹が強くなることで、全身のバランスが良くなり、姿勢や動きが安定します。また、スポーツや日常生活での動作がより効率的になります。
2. 呼吸法との連動
ピラティスでは、呼吸を重視しており、動作と呼吸を連動させることが重要です。適切な呼吸法により、酸素の供給が促進され、リラックス効果も得られます。この「胸式呼吸」を意識することで、エクササイズの効果が高まります。
3. ゆっくりとした動作
ピラティスは、ゆっくりとしたコントロールされた動作が特徴です。勢いを使うのではなく、各動作を正確に行うことで、筋肉を効率的に鍛えます。これにより、怪我を予防しながら効果的にエクササイズができます。
4. 柔軟性と筋力のバランス
ピラティスは筋力トレーニングだけでなく、柔軟性の向上も目指します。筋肉を引き伸ばしながら、しなやかに動かすため、体全体のバランスが整います。柔軟性が上がることで、怪我のリスクも低くなります。
5. 正しい姿勢の習慣化
ピラティスは、姿勢を意識しながら行うため、日常生活でも姿勢が改善されます。特に、デスクワークや長時間同じ姿勢でいることが多い現代社会では、背中や腰の問題を防ぐために役立ちます。正しい姿勢を維持することで、肩こりや腰痛の予防にもなります。
6. メンタルへの影響
ピラティスは、体と心のバランスを整えることを目的としており、ストレスの軽減やリラクゼーション効果があります。集中力を高めながらエクササイズを行うため、精神的なリフレッシュ効果が期待できます。
7. 多様なエクササイズ方法
ピラティスは、器具を使わない「マットピラティス」や、専用器具を使った「リフォーマーピラティス」など、多様なエクササイズ方法があります。初心者から上級者まで、自分のレベルや目的に合わせて選べる点も特徴です。
ピラティスは、筋力と柔軟性のバランスを整え、体全体をしなやかに強化するエクササイズとして、多くの人々に支持されています。体幹を鍛えたい人や、姿勢改善を目指す人に特におすすめです。
初心者におすすめの理由
ピラティスは、激しい運動ではなく、ゆっくりとした動きで体を整えるので、初心者でも無理なく始められます。
なんといってもピラティスは、リハビリにも使える安全なメソッド
ピラティスは、リハビリ目的でも使用される安全なエクササイズ法です。筋肉を過度に酷使せずに鍛えることができるため、過去にケガをした人や運動経験が少ない人でも安心して行えます。
ピラティスは初心者にとっても優しいエクササイズであり、無理なく健康的な体作りができるため、初めての運動や習慣化を目指す方にぴったりの方法です
器具を使うものと使わないものがありますが、マットがあればできる「マットピラティス」が多くの人に親しまれています。体力に自信がない人でも、少しずつ進められるので安心です。
ピラティスって人の名前?ピラティスの創始者はジョセフ・ピラティス氏
ジョセフ・ピラティス(Joseph Hubertus Pilates, 1883–1967)は、ピラティスというエクササイズ方法の創始者であり、身体運動と健康の分野で重要な貢献をした人物です。彼の独自のメソッドは、今日も世界中で広く行われています。
ジョセフ・ピラティス氏の経歴
- 幼少期と背景: ジョセフ・ピラティスは1883年にドイツで生まれました。幼少期は病弱で、喘息やくる病などに苦しんでいましたが、その弱さを克服するために身体を鍛え始め、スポーツやフィットネスに没頭しました。体操、ボクシング、柔術など様々な運動を学び、強い体を作り上げました。
- 第一次世界大戦中のリハビリ活動: 第一次世界大戦中、彼は捕虜としてイギリスに収容されますが、その際、負傷した兵士のリハビリを助けるために独自のエクササイズを考案しました。この時期に、ベッドのスプリングを使ったリハビリ器具を作り出し、これが後にピラティスの専用器具「リフォーマー」の原型になりました。
- ニューヨークでの活動: 1926年、ジョセフ・ピラティスはアメリカに移住し、ニューヨークにスタジオを開設します。そこで彼のメソッドはバレエダンサーやアスリート、リハビリが必要な人々に支持され始めました。彼のスタジオは、特にダンサーたちの間で評判となり、彼のエクササイズが広がっていきました。
ピラティス・メソッドの誕生
ジョセフ・ピラティスは自身のメソッドを「コントロロジー(Contrology)」と呼びました。これは、体と心を統合して制御し、自然な動きを取り戻すことを目的としたものです。ピラティスの基本的な考え方は、筋力、柔軟性、バランス、呼吸の調和を重視することです。彼は、正しい姿勢と呼吸法が重要であるとし、全身のコントロールを通じて健康を向上させることを目指しました。
ピラティス氏の遺産
ジョセフ・ピラティス氏が広めたメソッドは、彼の死後も多くの人々に受け継がれ、フィットネスやリハビリの分野で広く実践されています。彼の妻クララもピラティスの普及に尽力し、現在では世界中で「ピラティス」が様々なスタジオやフィットネスジムで行われています。
ピラティスのエクササイズは、今日では、体幹の強化や姿勢の改善に焦点を当てたトレーニングとして評価されており、アスリートやダンサーだけでなく、幅広い年齢層や健康レベルの人々にとって有益なものとなっています。
このメソッドは、身体の中心部を強化し、柔軟性を高め、姿勢を改善することを目的としています。そのため、ピラティスは単なる運動だけでなく、心と身体のつながりを意識することも重視しています。身体を鍛えるだけでなく、心を静め、集中力を高めることで、全体としての健康を促進することができます。
ピラティスの基本原則
ピラティスの基本原則は、エクササイズを行う際に最も重要なガイドラインとなるもので、正しい体の使い方やエクササイズ効果を最大化するために設けられています。これらの原則に基づいて行うことで、体と心のバランスが整い、ピラティスの効果が高まります。以下がピラティスの6つの基本原則です。
1. 集中(Concentration)
ピラティスでは、すべての動作に集中することが大切です。体の各部分がどう動いているかに意識を向け、エクササイズ中の姿勢や筋肉の使い方を細かく調整します。集中することで、無駄な動きを減らし、より正確にエクササイズを行うことができます。
2. コントロール(Control)
ピラティスの動きは、すべてがコントロールされた動作で行われます。勢いや反動を使わず、筋肉の力を使ってゆっくりと動作を行うことで、体を安全に使いながら筋肉を鍛えることができます。ジョセフ・ピラティス自身も、このエクササイズを「コントロロジー」と呼んでいたほど、コントロールが重要視されています。
3. センタリング(Centering)
体の中心、つまり「コア(体幹)」を意識することがピラティスの核となります。腹筋や背筋、骨盤周りの筋肉を強化し、体全体のバランスと安定性を保つことを目指します。ピラティスでは、この体の中心を「パワーハウス」と呼び、すべての動作はこのコアから始まります。
4. 呼吸(Breathing)
正しい呼吸法は、ピラティスの中で非常に重要な役割を果たします。深く安定した呼吸は、体をリラックスさせ、酸素を効率的に筋肉に送り込む助けとなります。ピラティスでは、特に「胸式呼吸」と呼ばれる方法を使い、肋骨を広げて息を吸い込み、コアを引き締めながら息を吐くことが推奨されます。
5. 精確さ(Precision)
ピラティスでは、各動作の精確さが求められます。動き一つひとつが正確であることで、筋肉が効率的に働き、エクササイズの効果が最大限に発揮されます。フォームや姿勢を常に意識し、細部まで注意を払うことで、無駄な力を使わずに効果的に体を動かせます。
6. 流動性(Flow)
ピラティスの動作は、スムーズで連続的に行われるべきです。動きが途切れないように、流れるようなリズムで行うことで、体全体の協調性や柔軟性が向上します。また、流動的な動きは、体へのストレスや緊張を減らす効果もあります。
これらの6つの基本原則は、ピラティスの効果を高めるための重要な要素です。正しいフォームや呼吸、集中力を持ってエクササイズを行うことで、ピラティスの本来の目的である「体と心の統合」を実現できます。
例えば、呼吸は動きのリズムを制御し、集中は姿勢や体の動きに注意を向けることを意味します。中心は身体の中心部である腹部や背中を強化し、安定性を提供します。制御は無駄な動きを排除し、筋肉を正しく使うことを指します。流動性は動きを滑らかに、そして正確に行うことを意味し、最終的に正確性は運動の品質を高めます。
ピラティスは様々な方法で実践することができますが、典型的なピラティスのセッションでは、フロアでのマットエクササイズや特殊な機器を使ったトレーニングが含まれます。マットエクササイズは、体重や抵抗を利用して行うため、比較的身近な場所でも実践できます。一方、特殊な機器を使ったピラティスは、リフォーマー、チェア、キャディラックなどの機器を使用し、より効果的かつ個別に適したトレーニングを提供します。
ピラティスは身体のコアを強化するため、腰痛や関節痛の緩和にも効果的です。中心部が強化されることで、身体全体の負担が軽減され、慢性的な痛みの緩和につながります。また、ピラティスはストレスの軽減やリラックス効果も期待できます。呼吸法や集中力を高めることで、心身のリフレッシュが可能です。
加えて、ピラティスは年齢や体力に関係なく、誰にでも適したエクササイズ法です。初心者から上級者まで、自分のレベルに合わせてトレーニングできます。また、ケガやリハビリ中の人々にも安全に取り組むことができます。ピラティスは低負荷でありながら効果的なトレーニングを提供するため、怪我のリスクが低く、怪我からの回復を促進します。
総括すると、ピラティスは身体と心の健康を促進するための素晴らしい方法です。その独自の原則とエクササイズ法によって、姿勢の改善、筋力の向上、ストレスの軽減など、多くの利点が期待できます。福岡市西区九大学研都市で理学療法士として整体とピラティスを提供する私たちのような専門家は、クライアントが最高の結果を得られるようにサポートし、健康なライフスタイルを実現する手助けをしています。
ピラティスとヨガの違いについてはこちらから
ヨガとピラティスの違いについてよくわからないという声はよくいただきます。
同じマットを使った運動ですが、由来や目的などヨガとピラティスには様々な違いがあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
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